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廃木材で活性炭“一石二鳥”効果 ダイオキシン100%除去 リサイクルで環境保全 京都市環境局実験に成果 コスト面課題 実用化へ意気込む 廃木材から作った活性炭が、焼却排煙に含まれる猛毒のダイオキシン類を除去する効果 があることが、九日までに、京都市環境局の実験結果でわかった。ごみ焼却場に持ち込まれた廃木材は、これまで、灰にして埋めるしかなく、一方、ダイオキシン類低減用の活性炭は石炭を原料にしたものが使われていた。今回の結果 は廃木材の再利用の道を開いただけでなく、環境保全にも役立てるという新たな「リサイクル・システム」につながるもの。実験結果 からは除去率約100%の成果も得られており、同局では「コスト面などの課題をクリアし実用化を目指したい」としている。 同局によると、市のクリーンセンターに持ち込まれる廃木材の量(再利用可能なもの)は、年間約三万九千トン。現在、焼却して灰にした後、大半は他の焼却物とともに市内の処分地で埋設されている。一九九八年度から廃木材の再利用事業に取り組んできた同局は、市南部クリーンセンター(伏見区)に持ち込まれた廃木材を細かく砕き、市内の業者に委託して活性炭化にこぎ着けた。 さらに、この活性炭を昨年十月二十九日から十一月一九日までの計四回、焼却炉の廃ガスフィルター内に吹きつけてダイオキシン類の除去効果 を調査。 ダイオキシン類の量は、フィルターを通す前では一立方メートル中2.8〜2.1ナノグラム(ナノは十億分の一)あったのに対し、通 した後では、最も高い値でも同0.00032ナノグラムで、除去率は99.9%以上だった。新設炉では同一ナノグラムとする国の新基準(二〇〇二年十二月施行)を大幅に下回った。 活性炭はダイオキシン類を吸着する能力があり、ごみ焼却場などでは、石炭を原料にしたものが主流となっている。 同市環境局は、今回の結果を踏まえて実用化への研究を続ける方針。担当者は「廃材のリサイクルと大気汚染防止との一石二鳥が可能になる」と意気込んでいる。 原紙をご覧になりたい方はこちら
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