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岡山県金光町剪定枝炭化施設
「植木の里エコセンター金光」について

株式会社カーボテック

1.炭化施設建設の背景・目的
金光町は、倉敷市の西側に位置し、人口12000人、金光教の本部があることで知られる町ですが、全国有数の植木の産地としても知られています。年1回春に開かれる植木祭りは県内外から多くの来場者で賑わいます。
植木栽培は、行政的には農業と位置付けられ、剪定された葉や枝は、従来多くが畑の中で焼却(野焼き)されてきました。
現在、野焼きは法令により禁止され、行政は焼却工場で適正処理を行うよう指導していますが、処理費用の負担が少なくないことから、なかなか行政指導の成果 が現れないのが現状です。
金光町は畑中町長は、県内でもいち早くこの問題の解決に手をつけられ、町内から野焼きをなくし、同時に地元の産業振興に繋がる方法はないか検討を進められました。
それには剪定枝をリサイクルして新しい事業を起こそうということになりました。
町として堆肥化等さまざまなリサイクルを調査研究されました。
結論としては、炭化によって剪定枝を処理し、植木栽培と造園業、さらには公共事業の中で、リサイクルされた炭を活用しようというものでした。
資源循環型社会形成の社会的要請の中で、剪定枝を炭にリサイクルし、地域で活用する循環をつくり、地域の産業振興に役立てることが大きな目的です。

2.施設建設までの経緯
金光町も財政は決して豊かではありませんが、町として剪定枝のリサイクルは、緊急最大の行政課題として取り組むことを決断されました。
町長は何度も県庁に相談に行かれ、県が産業振興の助成制度である「フロンティア21地域活力創出支援事業」の制度を活用して施設建設費に充てることになりました。
また施設建設には、県の都市計画審議会の承認等の煩雑な行政手続きが必要です。町長を先頭に役場を挙げてこれらの取り組まれ、本年4月正式に炭化施設の建設が決定しました。
公共事業としての炭化施設建設ですので、公平性透明性を維持することが必要であり炭化施設の建設及びプラントの業者選定は当然入札で行われることとなりました。(入札は8月に実施)

3.事業方式
町の予算で施設を建設し、地元の植木組合に貸与することによって植木組合が運営する方式です。これによって植木組合加盟の植木業者は発生した剪定枝をすべて炭化施設へ持ち込み、製品である「セラミック炭」も植木栽培の中で積極的に利用することとなりました。

4.施設概要
[施設建屋]
下記の3つから構成されます。
(1) 工場   約70平方メートル
(2) 資材置場 約30平方メートル
(3) 製品置場 約45平方メートル

5.金光町に対する当社の取組み
昨年9月に、当社は、金光町より視察調査を受けたことをきっかけに、JA等全国の農業団体に強い営業力を持つM石井工業(本社松山)と共同でプラント受注の取組みを開始しました。
石井工業は、ミカン等の選果装置のトップメーカーであり、高い営業力・技術力を有しています。当社は、金光町だけでなく全国のリサイクル施設のプラント受注を共同で行うべく本年2月には正式に業務提携を締結しました。
金光町は全国の炭化施設・炭化プラントメーカーを精緻に調査され炭化については多くの情報・知識を持っておられ、当社は他社との炭化方式の違いのPRに重点を注ぎました。当社は、剪定枝チップを単に蒸し焼き炭化するのでなく、添加剤を混合してロータリーキルンで効率的に連続炭化する複合炭化方式を提案しました。この方式であれば高い土壌改良効果 をもつ「セラミック炭」をはじめ、ダイオキシンなどの有害物質吸着剤の製造も可能です。
また、金光町はリサイクル施設であっても環境対策が万全であることを絶対条件とされ、この点では当社はさらに性能の高い排ガス処理装置を再設計致しました。

6.施設竣工と知事視察
建屋・プラントともに落札正式発注から2ヶ月という短い納期で、10月18日竣工しました。
10月28日には岡山県内初めての公共の炭化施設として、石井知事が視察されました。
石井知事は、視察時のマスコミのインタビューの中で「全国に先駆けて、たいへん立派な炭化施設ができた。地域の循環型づくりと地元産業振興に多いに役立つだろう」と述べられています。

7.今後の展開
当社は、金光町の炭化施設を町村レベルでの地域循環づくりに最も役立つモデル施設と位 置付け、今後も金光町の剪定枝炭化リサイクル事業が発展するよう植木組合・町行政との相互交流を続けることとしています。
また、全国から自治体関係者・業界関係者等多くの視察が予定され、当社の炭化方式の優位 性をPRする絶好の機会となると考えています。

来年3月完成予定の当社京都工場とともに、金光町の炭化施設を新たなモデル工場として、当社方式炭化リサイクルシステムの全国的な普及に取り組んでまいります。
金光町プラント稼働中
山陽新聞記事(2002/11/03)
 
 
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